デニムは、
特別な日に穿く服ではない。

むしろ、
何も予定のない日にこそ似合う。
朝、コーヒーを淹れ、
静かな音楽を流し、
お気に入りの本を開く。


シャツに袖を通し、
鏡を見ることもなく、
自然とデニムを穿く。


お気に入りだからではない。
着慣れているからでもない。
その日を心地よく過ごせることを、
もう知っているからだ。


デニムは、
穿くたびに少しずつ表情を変えていく。

色が褪せ、
皺が刻まれ、
生地は柔らかくなる。

それは服が古くなるということではなく、
その人が過ごしてきた時間が、
静かに積み重なっていくということ。

流行は変わる。
新しいものは次々と生まれ、
やがてまた、新しいものへと移り変わっていく。

それでも、
長く愛用したデニムだけは、
その人の暮らしを静かに語ってくれる。

きっと、スタイルとは、
誰かに与えられるものではない。
何気ない毎日を重ねる中で、
少しずつ、自分だけの形になっていくものなのだと思う。
